i-ACTIVSENSE (アイ・アクティブセンス) とは、フォワードセンシングカメラ (FSC) やレーダーセンサーなどの検知システムを利用したマツダの先進安全・運転支援システムの総称です。これらのシステムは、アクティブセーフティ技術とプリクラッシュセーフティ技術で構成されています。
これらのシステムはあくまで、ドライバーの安全運転を前提としたシステムであり、運転負荷や事故被害の軽減を目的としています。したがって、各機能には限界がありますので過信せず、安全運転を心がけてください。
アクティブセーフティ技術とは、安全・安心な運転を支援し、事故を未然に防止する技術です。
認知支援システム
夜間視界
左右側面・後側方認知
標識認知
車間認知
運転者疲労検知
駐車場発進時後方認知
運転支援システム
車間距離
車線逸脱
プリクラッシュセーフティ技術とは、事故が避けづらい状況での衝突回避、避けられず衝突した際の被害低減を図る技術です。
低速度域衝突被害軽減
前進時
後退時
中・高速度域衝突被害軽減
フォワードセンシングカメラ (FSC)
フォワードセンシングカメラ (FSC) は、車線表示を検知したり、夜間走行時にはヘッドランプ、テールランプ、街灯を認識したりしています。また、前方の車両や歩行者、障害物も認識します。フォワードセンシングカメラ (FSC) は、次のシステムが共用しています。
アダプティブ・LED・ヘッドライト (ALH)
レーンキープ・アシスト・システム (LAS) &車線逸脱警報システム
交通標識認識システム (TSR)
ドライバー・アテンション・アラート (DAA)
アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート (アドバンストSCBS)
AT誤発進抑制制御 [前進時]
スマート・ブレーキ・サポート (SBS)
フォワードセンシングカメラ (FSC) は、フロントガラスの上のルームミラー付近に設置されています。
→参照「フォワードセンシングカメラ (FSC) について」
レーダーセンサー (フロント)
レーダーセンサー (フロント) は、レーダーセンサーから送信される電波が前方車や障害物に反射し、もどってきた電波により対象物を検知します。レーダーセンサー (フロント) は次のシステムが共用しています。
マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール (MRCC)
車間認知支援システム
スマート・ブレーキ・サポート (SBS)
レーダーセンサー (フロント) は、ラジエーターグリルの裏側に設置されています。
→参照「レーダーセンサー (フロント) について」
レーダーセンサー (リア)
レーダーセンサー (リア) は、レーダーセンサーから送信される電波が後方からの接近車両や障害物に反射し、もどってきた電波を検知することで制御しています。レーダーセンサー (リア) は次のシステムが共用しています。
ブラインド・スポット・モニタリング (BSM)
リア・クロス・トラフィック・アラート (RCTA)
レーダーセンサー (リア) はリアバンパーの内側に左右1つずつ設置されています。
→参照「レーダーセンサー (リア) について」
超音波センサー (フロント)
超音波センサー (フロント) は、超音波センサーから送信される超音波が前方の障害物に反射し、もどってきた超音波を受信することによって対象物を検知します。超音波センサー (フロント) はAT誤発進抑制制御 [前進時]で使用しています。
超音波センサー (フロント) はフロントバンパーに設置されています。
→参照「超音波センサー (フロント) について」
超音波センサー (リア)
超音波センサー (リア) は、超音波センサーから送信される超音波が後方の障害物に反射し、もどってきた超音波を受信することによって対象物を検知します。超音波センサー (リア) は次のシステムが共用しています。
スマート・シティ・ブレーキ・サポート [後退時] (SCBS R)
AT誤発進抑制制御 [後退時]
超音波センサー (リア) はリアバンパーに設置されています。
→参照「超音波センサー (リア) について」
アダプティブ・LED・ヘッドライト (ALH) は、フォワードセンシングカメラ (FSC) を使用することにより夜間走行時に前方車や対向車の状況を判断し、ヘッドランプの照射範囲、照射部分や明るさを自動的に変化させるシステムです。
→参照「フォワードセンシングカメラ (FSC) について」
アダプティブ・LED・ヘッドライト (ALH) は、ヘッドランプの上向き (ハイビーム) と下向き (ロービーム) を次のように制御し、前方車や対向車を眩惑することなく運転者の視界確保を支援します。
グレアフリー (防眩) ハイビーム
ヘッドランプ上向き (ハイビーム) の配光を前方車の部分だけ減光して照射します。
車速約40 km/h以上で走行中に、ヘッドランプ上向き (ハイビーム) と下向き (ロービーム) を切り替えます。また、車速が約30 km/h未満になると、ヘッドランプは下向き (ロービーム) に切り替わります。
ヘッドランプが上向き (ハイビーム) のときは、メーター内のヘッドランプ上向き表示灯が点灯します。
ワイド配光ロービーム
車速約40 km/h未満で走行中に、ヘッドランプ下向き (ロービーム) の照射範囲を拡大して照射します。
ハイウェイモード
高速走行時にヘッドランプの照射角度を上方向へ移動して照射します。
アダプティブ・LED・ヘッドライト (ALH) が対象物を認識できる距離は、周囲の状況により異なります。
サスペンションの改造、ヘッドランプユニットの改造、カメラの取り外しを行わないでください。アダプティブ・LED・ヘッドライト (ALH) が正常に作動しなくなるおそれがあります。
システムを過信せず、常に周囲の状況に注意を払い、必要に応じて、上向き (ハイビーム) と下向き (ロービーム) を手動で切り替えるなど、安全運転に心がけてください。
次のような状況では、アダプティブ・LED・ヘッドライト (ALH) が正常に作動しない場合があります。視界や道路状況、交通状況に応じて、上向き (ハイビーム) と下向き (ロービーム) を手動で切り替えてください。
周囲に街灯、電光掲示、信号機などの光源があるとき
周囲に反射板や標識などの反射物があるとき
雨、雪、霧などで視界が悪いとき
カーブの多い道、起伏の激しい道を走行しているとき
前方車や対向車のランプが暗いときや電球切れしているとき
薄暗い早朝や夕暮れなどの暗さが不十分なとき
ラゲッジルームや後席へ重い荷物をのせたとき
前方車が水をまき上げて走行するなど前方の視界状況が悪いとき
電源ポジションがONの状態でランプスイッチがの位置のときにヘッドランプを上向き (ハイビーム) にすると作動します。同時にメーター内のアダプティブ・LED・ヘッドライト (ALH) 表示灯 (緑) が点灯します。
周囲の明るさからアダプティブ・LED・ヘッドライト (ALH) が夜と判断すると作動します。
ランプスイッチをの位置以外にするか、下向き (ロービーム) またはパッシングにすると解除します。
ブラインド・スポット・モニタリング (BSM) またはリア・クロス・トラフィック・アラート (RCTA) 作動中は、ブラインド・スポット・モニタリング (BSM) 接近表示灯や警報チャイムで、隣接車線や自車後方に車両が存在することを知らせます。
ブラインド・スポット・モニタリング (BSM) 接近表示灯
ドアミラーに取り付けられています。後方からの接近車両を検知すると点灯します。
電源ポジションをON にすると点灯し、しばらくすると消灯します。
前進時 (ブラインド・スポット・モニタリング (BSM) 作動)
後方からの接近車両を検知して、その接近状態に応じてドアミラーに設置したブラインド・スポット・モニタリング (BSM) 接近表示灯が点灯します。また、ブラインド・スポット・モニタリング (BSM) 接近表示灯が点灯した状態で、その点灯した側に方向指示器のレバーを操作すると、ブラインド・スポット・モニタリング (BSM) 接近表示灯 が点滅します。
後退時 (リア・クロス・トラフィック・アラート (RCTA) 作動)
自車後方の左右に接近する車両を検知して、ブラインド・スポット・モニタリング (BSM) 接近表示灯が点滅します。
減光解除機能
車幅灯が点灯しているとき、ブラインド・スポット・モニタリング (BSM) 接近表示灯が点灯すると、点灯したときの明るさが減光されます。
雪道や霧での走行時など、周囲が明るく減光状態ではブラインド・スポット・モニタリング (BSM) 接近表示灯が見えにくい場合には、減光解除ボタンを押すと減光が解除されブラインド・スポット・モニタリング (BSM) 接近表示灯が点灯したときの明るさが明るくなります。
→参照「パネルライトコントロールスイッチ」
ディスプレイ表示 (アクティブ・ドライビング・ディスプレイ装備車)
前進時、後方からの接近車両を検知して、その接近状態に応じてアクティブ・ドライビングディスプレイに警告表示を表示します。
ブラインド・スポット・モニタリング (BSM) 警報チャイム
ブラインド・スポット・モニタリング (BSM) 接近表示灯の点滅と同時に鳴ります。
ブラインド・スポット・モニタリング (BSM) を作動しないようにできます。
→参照「設定変更 (カスタマイズ機能)」
ブラインド・スポット・モニタリング (BSM) を作動しないようにすると、ブラインド・スポット・モニタリング (BSM) OFF表示灯が点灯します。
電源ポジションをOFFにしたときは、OFFにする前の状態が保持されます。たとえば、ブラインド・スポット・モニタリング (BSM) およびリア・クロス・トラフィック・アラート (RCTA) が作動可能な状態で電源ポジションをOFFにすると、次に電源ポジションをONにしたときはブラインド・スポット・モニタリング (BSM) およびリア・クロス・トラフィック・アラート (RCTA) は作動可能な状態のままです。
次の交通標識をアクティブ・ドライビング・ディスプレイに表示します。
最高速度標識
車両進入禁止標識
一時停止標識
上記の表示は一例です。
補助標識の条件 (時間帯、右左折時、区間の終わりなど) をフォワードセンシングカメラ (FSC) が正しく分類できなかった場合、次の画面を表示します。
最高速度標識 (補助標識も含む)
次の条件をすべて満たしているとき、最高速度標識を表示します。
約1 km/h以上で走行しているとき
フォワードセンシングカメラ (FSC) が最高速度標識を自車対象標識として認識し、最高速度標識を通過したとき
次のときは、最高速度標識表示を終了します。
最高速度標識を認識し、車両が最高速度標識を通過してから、一定の距離を走行したとき
自車が路線を変えたと判断したとき
新たに、フォワードセンシングカメラ (FSC) が異なる最高速度標識を認識したとき (新しい最高速度標識を表示する)
最高速度標識を表示してから一定の時間経過後、表示中の最高速度標識より約30 km/h以上速度超過しているとき
車両進入禁止標識
次の条件をすべて満たしているとき、車両進入禁止標識を表示します。
約60 km/h以内で走行しているとき
フォワードセンシングカメラ (FSC) が車両進入禁止標識を自車対象標識として認識し、車両進入禁止標識を通過したとき
次のときは、車両進入禁止標識表示を終了します。
車両進入禁止標識を認識し、車両が車両進入禁止標識を通過してから、一定の時間経過したとき
一時停止標識
次の条件をすべて満たしているとき、一時停止標識を表示します。
約30 km/h以内で走行しているとき
フォワードセンシングカメラ (FSC) が一時停止標識を自車対象標識として認識したとき
次のときは、一時停止標識表示を終了します。
一時停止標識表示を開始してから、一定の時間経過したとき
車間認知支援システムは、車速が約30 km/h以上のとき、レーダーセンサー (フロント) が前方車との車間距離を計測し、車速に応じた適正な車間距離よりも前方車に近づきすぎた場合に、アクティブ・ドライビング・ディスプレイにお知らせを表示して、適正な車間距離を保って運転ができるようアドバイスします。
車間認知支援システムを過信しない
車間認知支援システムは前方車との安全な車間距離の目安をお知らせし、安全運転のアドバイスを行うシステムです。前方車の種類、天候状況、道路状況等によっては前方車の検知に限界がありますので、アクセルやブレーキの適切な操作を怠ると思わぬ事故につながるおそれがあります。周囲の安全を確認してブレーキペダルやアクセルペダルを踏むなど、前方車や後続車との車間距離を十分に確保してください。
次の条件をすべて満たしているときに車間認知支援システムは作動します。
電源ポジションがONのとき
車間認知支援システムがONのとき
セレクトレバーがRレンジ以外のとき
車速が約30 km/h以上のとき
システムの作動対象は4輪車両です。
バイクや自転車等にも車間認知支援システムが作動するときがあります。
次の条件のときは、車間認知支援システムが正常に作動しないときがあります。
DSCが故障しているとき
前方車が極低速のとき
次の対象物には作動しません。
対向車
静止物 (停車車両、障害物)
車間認知支援システムを作動しないようにできます。
→参照「設定変更 (カスタマイズ機能)」
車間認知支援システムの作動状態をアクティブ・ドライビング・ディスプレイに表示します。
システム故障時は、スマート・ブレーキ・サポート/スマート・シティ・ブレーキ・サポート (SBS/SCBS) 警告灯 (橙) が点灯します。センターディスプレイで点灯理由を確認してください。
→参照「警告灯が点灯、点滅したときは」
電源ポジションをOFFにしたときは、OFFにする前の状態が保持されます。たとえば、車間認知支援システムが作動可能な状態で電源ポジションをOFFにすると、次に電源ポジションをONにしたときは車間認知支援システムは作動可能な状態になります。
車間表示の目安*1
ディスプレイ表示 |
車間距離の目安 (約40 km/h走行時) |
車間距離の目安 (約80 km/h走行時) |
---|---|---|
![]() (前方車表示が点灯) |
約25 m~10 m |
約50 m~20 m |
![]() (前方車表示の手前側が橙色で点灯) |
約10 m以下 |
約20 m以下 |
車間距離は車速によって異なります。