ブレーキ
ブレーキの操作
電動パーキングブレーキ (EPB)
ブレーキ・オーバーライド・システム
ブレーキ・オーバーライド・システムとは、ブレーキとアクセルを同時に踏み込んだ際、安全のためにブレーキを優先して作動させるシステムです。
オートホールド
オートホールド
停車中にブレーキペダルから足を放しても、ブレーキを制御して車両の停車状態を保持する機能です。マニュアル車はチェンジレバーがニュートラル以外の位置でクラッチペダルから足を放す、オートマチック車はアクセルペダルを踏み込むなどの発進操作を行なうと、ブレーキが解除されます。信号待ちなどの停車時に運転者の負担を軽減します。
オートホールドを過信しない
オートホールドは、あくまでも停車時のブレーキ操作を補助する機能です。機能を過信してブレーキ操作を怠ると、意図せず車両が動き出し思わぬ事故につながるおそれがあります。道路状況や周囲の状況に応じて、適切にブレーキを操作してください。
停車中、急な坂道ではブレーキペダルから足を放さない
オートホールド機能による停車保持ができない可能性があるため、意図せず車両が動き出し思わぬ事故につながるおそれがあります。
凍結路、積雪路および未舗装路などのすべりやすい路面では、オートホールドの使用をひかえる
オートホールド機能による停車保持が作動していても、車両が動き出し、思わぬ事故につながるおそれがあります。必要に応じてアクセルやブレーキ、ハンドルを適切に操作してください。
次のような場合は、ただちにブレーキペダルを踏み込む
オートホールド機能が強制解除されるため、意図せず車両が動き出し思わぬ事故につながるおそれがあります。
-
マルチインフォメーションディスプレイに「ブレーキペダルを踏んでください停止保持を継続できません」とメッセージが表示され、同時にブザーが鳴ったとき
駐車するとき、および車両から離れるときは、パーキングブレーキをかける
意図せず車両が動き出し思わぬ事故につながるおそれがあります。駐車するとき、および車両から離れるときは、セレクトレバーをPの位置 (オートマチック車) にして、パーキングブレーキをかけてください。
車両が発進する前にアクセル操作をやめた場合、停車状態を保持する力が弱まっている場合があります。ブレーキペダルをしっかり踏み込む、または発進するまでアクセルペダルを踏み込んでください。
-
次のようなときは、オートホールドに不具合が発生しています。すみやかにマツダ販売店で点検を受けてください。
-
オートホールド作動中やオートホールドスイッチを操作したときに、約5 秒間、マルチインフォメーションディスプレイにメッセージが表示されてブザーが鳴る
-
-
オートホールド作動中に電源ポジションをOFFにすると、自動的にパーキングブレーキがかかり、駐車するときに必要な運転者の操作を補助します。
-
車両前上がりの状態、または平坦路でチェンジレバー/セレクトレバーを後退 (R) の位置にシフトチェンジすると、オートホールドが解除されます。必要に応じてブレーキを操作してください。
車両姿勢および路面勾配
オートホールド作動状態
車両前下がり
作動する
平坦路
作動しない、解除
車両前上がり
作動しない、解除
: 後退時 (チェンジレバー/セレクトレバーが後退 (R) の位置)
オートホールドをON にするとき
オートホールドスイッチを押して、オートホールドスタンバイ表示灯が点灯すると、オートホールドがONになります。

-
オートホールドスタンバイ表示灯
-
次のすべての条件を満たすと、オートホールドスイッチを押したときに、オートホールドスタンバイ表示灯が点灯して、オートホールドがONになります。
-
電源ポジションがONのとき (エンジン回転中、またはアイドリングストップ中)
-
運転席シートベルトを着用しているとき
-
運転席ドアが閉まっているとき
-
オートホールドが故障していないとき
-
オートホールドを作動させ、ブレーキを保持するには
-
ブレーキペダルを踏み、車両を停車させます。
-
メーター内のオートホールド作動表示灯が点灯し、ブレーキが保持されます。
-
ブレーキペダルから足を放すと、車両の停車状態が保持されます。
-
次のすべての条件を満たすと、オートホールドが作動して、ブレーキが保持されます。
-
電源ポジションがONのとき (エンジン回転中、またはアイドリングストップ中)
-
車両が停止しているとき
-
ブレーキペダルを踏んでいるとき
-
オートホールドスタンバイ表示灯が点灯しているとき
-
アクセルペダルを踏んでいないとき
-
運転席シートベルトを着用しているとき
-
運転席ドアが閉まっているとき
-
オートホールドが故障していないとき
-
パーキングブレーキが解除されているとき
-
電動パーキングブレーキ (EPB) が故障していないとき
-
(オートマチック車)
セレクトレバーが後退 (R) 以外の位置、または後退 (R) の位置で車両が前下がりの状態のとき
-
オートホールドを解除させ、発進するには
-
次のいずれかの操作を行ない、車両を発進させようとすると、ブレーキ保持が解除され、メーター内のオートホールド作動表示灯が消灯します。
-
マニュアル車
-
チェンジレバーをニュートラル以外の位置にして、クラッチペダルをもどし始めたとき
-
-
オートマチック車
-
アクセルペダルを踏み込んだとき
-
車両前上がりの状態、または平坦路で、セレクトレバーを後退 (R) の位置にシフトチェンジしたとき
-
-
-
オートホールドが作動しているときに、電動パーキングブレーキ (EPB) スイッチを引き上げると、パーキングブレーキがかかり、オートホールドが解除されます。また、この状態からパーキングブレーキを解除すると、オートホールドが作動して、ブレーキが保持されます。
-
次のようなときは、パーキングブレーキが自動でかかり、オートホールドが解除されます。オートホールドが解除される前の状態にもどすと、オートホールドが復帰します。
-
運転席シートベルトをはずしたとき
-
運転席ドアを開けたとき
-
-
オートホールドが作動開始してから約10分以上経過すると、パーキングブレーキが自動でかかります。パーキングブレーキを解除すると、オートホールドが復帰するため、再度オートホールドでのブレーキ保持を開始します。
-
(マニュアル車)
発進したい方向が下り坂の場合、クラッチペダルを踏み込みチェンジレバーのギヤの位置を発進したい下り坂方向にして、アクセルペダルを踏み込むとオートホールドが解除されます。
-
オートホールド作動中に、アクセルペダルを約1秒いっぱいに踏み込むと、オートホールドを強制的に解除できます。システム故障などでオートホールドが通常操作で解除できないときや、緊急でオートホールドの解除が必要なときのみ使用してください。
オートホールドをOFF にするとき
ブレーキペダルを踏み込み、オートホールドスイッチを押します。オートホールドがOFFになり、オートホールドスタンバイ表示灯が消灯します。

-
オートホールドスタンバイ表示灯
-
走行中などブレーキが保持されていないときは、オートホールドスイッチを押すだけでオートホールドをOFFにすることができます。
-
オートホールドが作動しているとき (メーター内のオートホールド作動表示灯が点灯中) に、ブレーキペダルを踏み込まずにオートホールドスイッチを押すと、マルチインフォメーションディスプレイに「解除するにはブレーキペダルを踏みスイッチを操作してください」とメッセージが表示され、ブレーキペダルを踏み込むように運転者に知らせます。
-
オートホールドが作動しているとき (メーター内のオートホールド作動表示灯が点灯中) に、次のような状況になると、パーキングブレーキが自動でかかり、オートホールドがOFFになります。電動パーキングブレーキ (EPB) の操作方法については、電動パーキングブレーキ (EPB) を参照してください。
→参照「電動パーキングブレーキ (EPB)」
-
電源ポジションをOFFにしたとき
-
オートホールドが故障したとき
-
エマージェンシーシグナルシステム (ESS)
エマージェンシーシグナルシステム (ESS)
エマージェンシーシグナルシステム (ESS) は、急ブレーキをかけたときの車速が約55 km/h以上のときに、すべての方向指示灯を自動的に高速で点滅させ、後続車に注意を促すシステムです。
-
点滅について
すべての方向指示灯が高速点滅中に停車した場合、すべての方向指示灯は通常の周期で点滅します。ブレーキペダルから足を放すと方向指示灯が消灯します。
-
作動について
-
ABS作動時は、エマージェンシーシグナルシステム (ESS) が作動しやすくなります。そのため、すべりやすい路面でブレーキを踏むと、すべての方向指示灯が点滅することがあります。
-
非常点滅灯スイッチが操作されると、エマージェンシーシグナルシステム (ESS) は作動しません。
-
ヒル・ローンチ・アシスト (HLA) とは
ヒル・ローンチ・アシスト (HLA) とは
HLAとは、坂道発進を補助する機能です。坂道停車後の発進時、ブレーキペダルからアクセルペダルに踏みかえる際の車両のずり下がりを防ぎます。坂道を後退して上るときにも作動します。
急な坂道でブレーキペダルを放したときに自動でブレーキ力を保持します。
-
(マニュアル車)
チェンジレバーが前進ギヤのときは、車両前上がりの状態のとき作動し、Rの位置のときは車両前下がりの状態のとき作動します。
-
(オートマチック車)
セレクトレバーが前進の位置のときは、車両前上がりの状態のとき作動し、Rの位置のときは車両前下がりの状態のとき作動します。
HLAを過信しない。
HLAはあくまでも発進するときの補助機能です。システムが作動する時間は限られています (約2秒間) ので、アクセルやブレーキの適切な操作を怠ると、車両が動き出して思わぬ事故につながるおそれがあるため危険です。発進時は周囲の安全を確認してください。積載やけん引の状態によって、車両が意図せず動き出す可能性がありますのでご注意ください。
-
緩勾配の坂道ではHLAが作動しません。また、積載状態によって作動する勾配が若干変化します。
-
パーキングブレーキがかかっているときや、車両が完全に停車していないときはHLAは作動しません。
-
HLA作動中にブレーキペダルが硬くなったり、ペダルが振動したりすることがありますが、異常ではありません。
-
TCS/DSC作動表示灯が点灯しているときは、HLAが作動しないことがあります。
-
TCS OFFスイッチを押してTCSを解除してもHLAは解除されません。
-
(オートマチック車)
アイドリングストップ中はHLAは作動しませんが、発進補助機能が作動して車両が動き出すことを防ぎます。