スマートシティブレーキサポート (SCBS) は車速が約4 km/h~約30 km/hで走行中に前方車をレーザーセンサーが検知し、前方車との衝突を回避できないと判断したときに、ブレーキ制御 (SCBSブレーキ) を行なう装置で、衝突時の被害を軽減します。また自車と前方車との相対速度が約20 km/hより低いときは、衝突を回避できる場合があります。なお、約4 km/h~約30 km/hでシステム作動範囲に入っているときに、運転者がブレーキペタルを踏んだときは、ブレーキが素早く確実にかかるよう補助します。 (ブレーキアシスト (SCBS ブレーキアシスト))
システムを過信しない
スマートシティブレーキサポート (SCBS) は、あくまでも衝突時の被害を軽減するシステムです。システムを過信してアクセルやブレーキなどの操作を怠ると思わぬ事故につながるおそれがあります。
スマートシティブレーキサポート (SCBS) は、前方車 (4輪車両) に対して作動するシステムです。2輪車や歩行者に対しては作動保障しません。
スマートシティブレーキサポート (SCBS) のレーザーセンサーはルームミラー付近に設置され、AT誤発進抑制制御と共用しています。スマートシティブレーキサポート (SCBS) の正しい作動のため、次のことをお守りください。
レーザーセンサー付近のフロントガラス表面にステッカー (透明なものを含む) などを貼り付けないでください。レーザーセンサーが前方車や障害物を正しく検知できず思わぬ事故につながるおそれがあります。
フロントガラスにガラスコーティング剤などを使用しないでください。レーザーセンサーが前方車や障害物を正しく検知できず思わぬ事故につながるおそれがあります。
レーザーセンサーの分解などを行なわないでください。
飛び石などでフロントガラスのレーザーセンサー周辺に傷などが認められるときは、ただちにスマートシティブレーキサポート (SCBS) の使用を停止し、必ずマツダ販売店で点検を受けてください。レーザーセンサーの周辺にひび割れや引っかき傷などがあるまま運転を続けると意に反して作動し、思わぬ事故につながるおそれがあります。
作動を停止させるときは次のページを参照してください。
→参照「設定変更 (カスタマイズ機能)」
フロントガラスやフロントワイパーを交換する際は、マツダ販売店に相談してください。
サスペンションを改造しない
車高や車の傾きが変わると前方車や障害物を正しく検知できないため、スマートシティブレーキサポート (SCBS) が正常に作動しなくなったり、誤って作動し、重大な事故につながるおそれがあります。
草の生い茂った場所や、オフロードなど悪路を走行する際はスマートシティブレーキサポート (SCBS) を停止してください。
4輪ともすべて指定されたサイズで、同一メーカー・同一銘柄・同一トレッドパターンのタイヤを使用してください。また、磨耗差の著しいタイヤを混ぜて使用しないでください。タイヤを混ぜて使用すると、スマートシティブレーキサポート (SCBS) が正常に作動しなくなるおそれがあります。
レーザーセンサーは、ガラスの汚れを検知してお知らせする機能を備えていますが、ビニール袋や氷、雪などが付着した場合など、状況によっては検知できない場合があります。このようなときは前方車を正しく判断できず、正しい制御ができないおそれがあります。常に前方を注意して運転してください。
シャシーローラーを使用するときは、シャシーローラー上を走行中に誤って作動しないようにシステムを停止してください。
→参照「設定変更 (カスタマイズ機能)」
スマートシティブレーキサポート (SCBS) は、運転者が意図的に運転操作 (アクセル操作、ハンドル操作) を行なったときは作動しません。
スマートシティブレーキサポート (SCBS) は次の条件のとき作動します。
エンジンがかかっているとき
スマートシティブレーキサポート (SCBS) 警告灯 (橙) が点灯していないとき
車速が約4 km/h~約30 km/hのとき
スマートシティブレーキサポート (SCBS) を停止していないとき
DSCが故障状態でないとき
スマートシティブレーキサポート (SCBS) は近赤外線レーザー光を照射し、前方車のリフレクター (反射板) からの反射を測定して前方車を検知しています。そのため、次のようなときは、スマートシティブレーキサポート (SCBS) が作動しない場合があります。
車両形状等により反射作用が低い車両
前方車が著しく汚れているとき
雨・霧・雪など天候が悪いとき
ウインドーウォッシャー使用中や降雨時にワイパーを使用していないとき
フロントガラスが汚れているとき
ハンドルを大きく切った状態や、アクセルを踏み込んだ状態で、前方車に接近しているとき
荷台の低いトラック、極端に車高の低い車両や車高の高い車両
キャリアカーなど、特殊な形状をした車両
次のような状態のときはスマートシティブレーキサポート (SCBS) が正常に作動しない場合があります。
荷室やリヤシートへ重い荷物をのせたとき
前方車と部分的な接触の可能性があるとき
カーブが連続する道路やカーブの出入口を走行しているとき
ルーフレールなどを装着してレーザーセンサーをおおうような長尺物をのせたとき
前方車の排気ガス、砂や雪、マンホールやグレーチングなどからの水蒸気などによる煙、水しぶきが巻きあがっているとき
偏摩耗の著しいタイヤを装着して走行しているとき
次のようなときはレーザーセンサーが前方車と判断し、スマートシティブレーキサポート (SCBS) が作動する場合があります。
カーブ入口に路側物があるとき
カーブで対向車両とすれ違うとき
路面上に金属物、段差または突起物があるとき
ETCゲートを通過するとき
ビニールカーテン、旗などを潜って通行するとき
パイロンなどのプラスチック類
2輪車、歩行者、動物や立ち木
(マニュアル車)
SCBSブレーキの作動により車両が停止した場合、クラッチペダルを踏み込まないとエンジンが停止します。