AT誤発進抑制制御は車両が徐行中 (約10 km/h以下) や停車時、前方に車や壁などの障害物があるにも関わらず、必要以上にアクセルペダルが踏み込まれた (アクセルペダルを踏み間違えたと判断した) ときに、エンジン出力を抑制することで、衝突時の被害を軽減します。システム作動中は、スマート・シティ・ブレーキ・サポート (SCBS) 表示灯 (赤) の点滅とAT誤発進抑制制御表示 (アクティブ・ドライビング・ディスプレイ装備車) で作動中をお知らせすると同時に、警報音で運転者に警告します。
AT誤発進抑制制御を過信せず安全運転に心がける
AT誤発進抑制制御は、ペダルの踏み間違いによる事故を回避するものではありません。発進時はシフトやペダルの位置を十分に確認して操作してください。シフト、アクセルやブレーキなどの操作を怠ると思わぬ事故につながるおそれがあります。
停車中、むやみにアクセルペダルを踏まない
停車状態を保ったり、発進を緩やかにするものではありません。また、障害物の近くで故意にアクセルを踏み込まないでください。意に反して車が動き出し、思わぬ事故につながるおそれがあります。
踏切内に閉じ込められた場合、レーザーセンサーが遮断機を障害物と判断し、AT誤発進抑制制御が作動することがあります。遮断機を押しのけて進む場合、あわてずにアクセルを踏み続ける、または踏みなおして脱出してください。脱出の際、車両が急加速することがありますので注意して運転してください。
AT誤発進抑制制御は次の条件のときに作動します。
エンジンがかかっているとき
スマート・シティ・ブレーキ・サポート (SCBS) を停止していないとき
DSC OFFスイッチを押してDSCを作動停止状態にしていないとき
スマート・シティ・ブレーキ・サポート (SCBS) 警告灯 (橙) が点灯していないとき
セレクトレバーがD/Mレンジのとき
レーザーセンサーの検知能力には限界があります。次のようなときは、AT誤発進抑制制御が作動しない場合があります。
前方車が著しく汚れているとき
フロントガラスに氷、曇り、雪、霜、汚れ、ビニール袋等の異物が付着しているとき
ウインドーウォッシャー使用中や降雨時にワイパーを使用していないとき
次のような障害物はAT誤発進抑制制御が作動しない場合があります。
障害物の高さが低いとき (低い壁、低いガードレール、トレーラーなどの後部)
障害物が小さいとき
障害物が細いとき (標識の支柱など)
障害物が自車の中心から外れた位置にあるとき
黒い障害物、汚れた障害物 (レーザーが反射しにくい障害物)
フェンス、ガラスなどレーザーが透過 (通過) する障害物
荷台の低いトラック、極端に車高の低い車両や車高の高い車両
キャリアカーなど、特殊な形状をした車両
次のような状態のときはAT誤発進抑制制御が作動しない場合があります。
急カーブ、急な坂道のとき
ハンドルを大きく切っているとき
ボンネットの上に雪などの障害物があるとき
次のような状態のときは、AT誤発進抑制制御が正常に作動しない場合があります。
雨・霧・雪など天候が悪いとき
前方車の排気ガス、砂や雪、マンホールやグレーチングなどからの水蒸気などによる煙、水しぶきが巻きあがっているとき
荷室やリヤシートへ重い荷物をのせたとき
障害物などと部分的な接触の可能性があるとき
カーブが連続する道路やカーブの出入口を走行をしているとき
ルーフレールなどを装着してレーザーセンサーをおおうような長尺物を装着したとき
車、二輪車、自転車などが横から割り込んだり、飛び出してきたとき
自車が進路変更を行い、障害物のすぐ後ろに接近したとき
次のようなときは、レーザーセンサーが障害物と判断し、AT誤発進抑制制御が作動する場合があります。
道路沿いの草木、垣根、車両、壁、フェンスを感知しているとき
草の生い茂った場所や、オフロードなど悪路を走行するとき
低いゲート、狭いゲート、洗車機、トンネルなどを通行するとき
路面上に金属物、段差または突起物があるとき
ビニールカーテン、旗などを潜って通行するとき
パイロンなどのプラスチック類
完全に開いていない駐車場ゲートや遮断器
シャシーダイナモなど使用するとき
キャリアカーに積載するとき