e-SKYACTIV R-EV

e-SKYACTIV R-EVとは

e-SKYACTIV R-EVについて

e-SKYACTIV R-EVは、車外から充電する機能をもったハイブリッドシステムです。モーターのみでの走行や、発電システムとモーターを併用して走行することで、優れた燃費性能と動力性能を両立させたシステムです。

e-SKYACTIV R-EVの概略図

  1. モーター、回生ブレーキ

  2. 発電システム

  3. 充電ポート

  4. AC電源 (100 V/1,500 W)

  5. 駆動用バッテリー

  6. 車両接近通報装置

発電システム

発電システムは、駆動用バッテリーの充電残量が低下したときや駆動用バッテリーの出力が小さいときに作動し、駆動用バッテリーを充電したり、モーターに電力を供給したりします。

モーター

モーターは駆動用バッテリーの電力または、発電システムによって発電した電力を使って、車輪に動力を伝えます。

回生ブレーキ

回生ブレーキとはモーターを利用して車を減速させることです。減速時に車輪がモーターを回転させることで発電し、発電した電力を駆動用バッテリーに蓄えます。

参照「ステアリングホイールパドル

駆動用バッテリー

駆動用バッテリーは大容量の蓄電池で、充電電力、回生ブレーキで発電した電力を蓄えます。

充電ポート

充電ポートは、充電ケーブルの充電コネクタを接続し、外部電源からの電力で駆動用バッテリーを充電します。

車両接近通報装置

車両接近通報装置は、低速走行中に車両が接近していることを通報音で歩行者に知らせます。

参照「車両接近通報装置

AC電源 (100 V/1,500 W)

AC電源 (100 V/1,500 W) は、ハイブリッドシステムが作動中に家電製品などに供給します。

参照「AC電源 (100 V/1,500 W)

 


駆動用バッテリーの残量が少ないときや駆動用バッテリーの出力が小さいときは、発電システムを始動して駆動用バッテリーを充電する場合があります。燃料が不足しないように注意してください。

e-SKYACTIV R-EV使用上の警告・注意

e-SKYACTIV R-EVには、高電圧部位、高温部位があります。高電圧部位などには、取り扱い上の注意を記載したラベルが貼り付けてあります。必ずラベルの指示に従い、正しく取り扱いください。

 


高電圧部位に十分注意する。また、高電圧部品の分解、改造、取りはずしをしない。

次の部位は高電圧部品のため、触れると感電のおそれがあります。

  1. PCU (パワーコントロールユニット)

  2. PTCヒーター

  3. サービスプラグ

  4. 車載充電器

  5. 給電機

  6. AC電源 (100 V/1,500 W)

  7. 警告ラベルの例

  8. 駆動用バッテリー

  9. 高電圧ケーブル

  10. 電動コンプレッサー

  11. 発電システム

  12. モーター

高温部位に十分注意する。

ハイブリッドシステムやエンジンは作動すると高温になります。車両に貼り付けてあるラベルの指示に従い、高電圧部位、高温部位には常に注意してください。

サービスプラグにさわらない。

駆動用バッテリーには、サービスプラグが設置されています。このサービスプラグは、駆動用バッテリーの高電圧を遮断するためにマツダ販売店で車両の修理時などに使用するものです。サービスプラグの取り扱いを誤ると感電など命にかかわる重大な傷害につながるおそれがあるため、さわらないでください。

  1. サービスプラグ

メンテナンスや修理について

お車のメンテナンスや修理する場合はマツダ販売店にご相談ください。駆動用バッテリー取り扱いには、専門的な知識と技術が必要です。

 


駆動用バッテリーを安全に取り扱うために、次のことを必ず守る。

  • 駆動用バッテリーを取りはずさない。

  • 駆動用バッテリーを転売、譲渡、改造しない。

  • 駆動用バッテリーを装備された車両以外で使用しない。

適切に取り扱わないと次のようなことが起こり、重大な傷害につながるおそれがあります。

  • 放置された駆動用バッテリーに触れてしまい感電事故が発生する。

  • 装備された車両以外で駆動用バッテリーを使用し (改造などを含む)、感電事故、発熱・発煙・発火・爆発事故、電解液漏出事故などが発生する。

駆動用バッテリーの劣化/損傷を防ぐために次のことをお守りください。

  • 車両を極端な高温または低温環境下に長時間放置しない。

  • 駆動用バッテリー残量計がEmpty (残量0) の状態で、14日間以上放置しない。

事故が起きたとき

感電など重大な傷害や、最悪の場合死亡につながるおそれがあるため、次のことをお守りください。

 


走行を続けない。

続発事故防止のため安全な場所に停車し、セレクタレバーを Pの位置 にしてパーキングブレーキをかけてハイブリッドシステムを停止してください。

車室内および車室外にはみ出している電気配線には絶対に触らない。

感電など重大な傷害につながるおそれがあります。

電解液が付着している、電解液が漏れている場合は絶対にさわらない。

駆動用バッテリーの電解液が目や皮膚に触れると失明や皮膚障害のおそれがあります。万が一、電解液が目に付着した場合はこすらずに、15分以上水で目を洗った後、ただちに医師の診察を受けてください。また、電解液が肌に付着した場合は石鹸と水で触れた部分をしっかりと洗ってください。体に異常を感じたときはすみやかに医師の診察を受けてください。

火気や高温のものを絶対に近づけない。

駆動用バッテリーの電解液に引火するおそれがあります。万が一、車両火災が発生したときは、消火器 (ABC、BCまたはCタイプ) を使用して消火してください。水で消火するときは、消火栓など大量の放水が可能な場合にのみ行なってください。少量の放水は火災の拡大のおそれがあります。

前輪が接地した状態でけん引しない。

モーターが発電し、破損の状態によっては火災のおそれがあります。けん引するときは前輪または、前後輪すべてを浮かせた状態でけん引してください。

車両から液体もれ (エアコンの水以外) がある場合、ハイブリッドシステムを始動しない。

車両の下の路面などに液体のもれ (エアコンの水以外) が見つかった場合、燃料系統が損傷している可能性があります。そのままハイブリッドシステムを始動すると火災のおそれがあります。ハイブリッドシステムを始動せずに、マツダ販売店に連絡してください。

使用済み自動車の廃車と駆動用バッテリーの廃棄について

駆動用バッテリーによる事故を防止するため、駆動用バッテリーの回収を行なっています。お車を廃車にする場合、駆動用バッテリーを交換する場合、駆動用バッテリーを廃棄する場合などは、マツダ販売店にご相談ください。駆動用バッテリーが確実に回収できるようご協力ください。

 


駆動用バッテリーを適切に処理する。

駆動用バッテリーを放置または不法投棄するなど、適切に回収し廃棄しないと、第三者が駆動用バッテリーに触れる感電事故を引き起こし、重大な傷害につながるおそれがあります。

燃料について

 


  • e-SKYACTIV R-EVは電気で走行できますが、走行状況や走行モードによってはエンジンを使用して走行するため、給油が必要です。 燃料の残量を確認し、必要に応じて燃料を給油してください。

  • 車の使用状況によっては燃料がタンク内に長期間滞留し、燃料の品質が変化することがあります。燃料系の部品やエンジンに影響をおよぼす可能性があるため、12ヶ月ごとに 25 L以上 (12ヶ月間の給油量が合計 25 L以上になるように) 燃料を給油してください。

  • 一定期間燃料が補給されておらず燃料タンクにある燃料の品質の変化が予想されるときは、ハイブリッドシステムを始動したときにメーターにメッセージが表示されます。燃料を一定量消費すると、メーターに表示されたメッセージが非表示になります。

e-SKYACTIV R-EVの使いかた

e-SKYACTIV R-EVには、次の走行モードがあります。

  • (CHARGEモード)

    発電システムを始動し、あらかじめ設定した目標充電量になるように駆動用バッテリーを充電しながら走行します。目標充電量になると目標充電量を維持するように発電します。

  • (NORMALモード)

    駆動用バッテリーの状態や車両の走行状態に応じてモーターと発電システムを最適に制御し、十分な駆動力を確保して走行します。

  • (EVモード)

    駆動用バッテリーに蓄えた電力を使用して走行します。駆動用バッテリーの残量が少なくなると発電システムを始動して走行します。

走行モードを切り替える

  1. ハイブリッドシステムを始動する。

  2. スイッチを前方に押す、または手前に引く。

  3. メーター内のリスト表示を確認しながら、スイッチを前方に押す、または手前に引いて走行モードを選択する。

  4. 走行モードが確定すると、メーター内の表示が切り替わります。

    (CHARGEモード)

    (NORMALモード)

    (EVモード)

 


  • 発電システムが作動していても駆動用バッテリの残量が少ないときや駆動用バッテリーの温度が低いときは、アクセルペダルを踏んでも車速が上がらなくなる場合があります。メーターに表示されるメッセージや駆動用バッテリーの残量を確認して走行してください。

  • 外気温が低いときは、駆動用バッテリーの性能を確保するため、できるだけ充電ケーブルを接続して充電してください。

  • CHARGEモードを使用している状態で、車両の電源をOFFにし、次に車両の電源をONにすると、NORMALモードまたはEVモードになります。

    参照「e-SKYACTIV R-EVの便利な使いかた

  • 表示がグレーアウトした走行モードは選択できません。

  • 次のときは、走行モードを切り替えることができません。

    • アンチロックブレーキシステム (ABS) が作動しているとき

    • トラクションコントロールシステム (TCS) が作動しているとき

    • ダイナミック·スタビリティ·コントロール (DSC) が作動しているとき

    • 急なハンドル操作をしているとき

  • (EVモード)

    • アクセルペダルをいっぱいに踏み込んだときや駆動用バッテリーの残量が少ないとき、駆動用バッテリーの温度が低いときは発電システムが始動する場合があります。

    • 発電システムが始動するとメーター内のEV表示がグレーになります。

  • (CHARGEモード)

    • 燃料が少ないときやハイブリッドシステムの状態によりCHARGEモードに切り替えることができない場合があります。

    • 駆動用バッテリーの状態や車両の走行状態、走行環境、エアコンの使用などによって、駆動用バッテリーの充電にかかる時間が通常より長くなったり、充電されなくなったりする場合があります。

    • CHARGEモードを使用すると発電システムが始動するため、CHARGEモード以外での走行時に比べて燃料消費量が増える場合があります。

    • 目標充電量を変更することができます。マツダコネクト取扱書を参照する、またはマツダ販売店にご相談ください。

記載内容は分かりやすかったですか?

はいいいえ

e-SKYACTIV R-EVの便利な使いかた

EVモードで始動するように切り替える

ハイブリッドシステムをEVモードで始動するように変更できます。

→マツダコネクト取扱書「車両装備」

回生ブレーキの強さを切り替える

回生ブレーキの強さを変更することできます。

参照「ステアリングホイールパドル

環境に配慮した経済的な運転のために

走行モードの使用について

市街地は主にEVモードを使用し、郊外や高速道路ではNORMALモードで走行することで電気や燃料の節約につながります。回生ブレーキを積極的に使用して駆動用バッテリーに蓄えることで、EV走行できる距離をのばすことやEVモード以外で走行するときの燃料消費を抑えることができます。

航続距離をのばすために

次のような操作を行なうことで走行中の消費電力が抑えられ航続距離をのばすことができます。

  • 充電コネクターを接続した状態でエアコンを作動させ、お出かけ前に車内を快適な温度にする

  • 走行中に寒いときは、エアコンの代わりにシートヒーターやステアリングヒーターを使用する。

  • エアコンの風量、設定温度を控えめに調整する。

  • 窓の曇りや凍結しているとき以外はデフォッガー (曇り取り) の使用を控える。

  • 車間距離を十分にとり、回生ブレーキを上手に使用することで、より多くの電力を駆動用バッテリーに蓄えることができます。

駆動用バッテリーの寿命をのばすために

駆動用バッテリーは車両の保管の状態、充電方法によって寿命が変化します。駆動用バッテリーの寿命をのばすために、次のことに気をつけてください。

(充電するとき)

  • 必要以上の頻繁な充電を避ける。

  • 常時満充電ではなく必要な分だけ充電する。上限充電量を設定することができます。

    参照「充電内容の設定

(駐車するとき)

  • 外気温が極端に高いまたは低い場所で車両を保管しない。

  • 駆動用バッテリー残量が極端に少ないまま車両を放置しない。

  • 運転終了後にセンターディスプレイに「バッテリークーリング」作動通知が表示された場合は 「作動させる」 を選択する。

駆動用バッテリーの残量と温度について

駆動用バッテリーの残量が少ない場合や温度が低い場合は、モーターの出力が制限されてアクセルペダルを踏んでも車速が上がらなくなることがあります。メーターに表示される内容や駆動用バッテリー残量を確認して走行してください。

(バッテリークーリング)

運転終了後に駆動用バッテリー温度が高い場合、駆動用バッテリーの寿命をのばすために駐車中に駆動用バッテリーを冷却させることが可能です。運転終了後、「バッテリークーリング」の通知がセンターディスプレイに表示された場合は、「作動させる」を選択することでバッテリークーリングが作動します。

 


バッテリークーリングは駆動用バッテリーの電力を使用するため、バッテリークーリングを作動させるときは充電コネクターを接続しておくことをおすすめします。

先頭へ