ブレーキ

ブレーキの操作

電動パーキングブレーキ (EPB)

EPBとは、電気モーターでパーキングブレーキをかける装置です。自動での作動および手動での操作ができます。

EPBスイッチの表示灯は、パーキングブレーキをかけると点灯し、解除すると消灯します。

  1. 表示灯

 


パーキングブレーキをかけたまま走行しない

パーキングブレーキがかかったまま走行すると、ブレーキ部品が過熱しブレーキシステムが効かなくなり思わぬ事故につながるおそれがあります。

走行するときはパーキングブレーキを解除し、メーター内のEPB表示灯が消灯していることを確認してください。

車から離れるときは、パーキングブレーキをかける

意図せず車両が動き出し思わぬ事故につながるおそれがあります。車から離れるときはパーキングブレーキをかけ、メーター内のEPB表示灯が点灯していることを確認してください。

 


  • 12Vバッテリーがあがったときは、パーキングブレーキをかけたり、解除したりすることはできません。

  • メーター内の充電警告灯が点灯しているときは、電源ポジションをOFFにした後、パーキングブレーキをかけることができません。電源ポジションをOFFにする前に、手動でパーキングブレーキをかけてください。

  • パーキングブレーキをかけたり、解除したりしたときに、作動音が聞こえることがありますが、異常ではありません。

  • EPBを長期間使用しない場合は、駐車中にシステムの自動点検を行ないます。作動音が聞こえますが、異常ではありません。

  • パーキングブレーキをかけて電源ポジションをOFFにしたとき、作動音が聞こえることがありますが、異常ではありません。

  • パーキングブレーキをかけたり、解除したりしたときに、ブレーキペダルが動くことがありますが、異常ではありません。

  • 電源ポジションがOFFまたはACCのときにパーキングブレーキがかかっている場合は、メーター内のEPB表示灯およびスイッチの表示灯が15秒間点灯することがあります。

  • 前輪を載せて車両を動かすタイプの自動洗車機を使用する場合は、車両を自動洗車機に入れる際に、パーキングブレーキの自動作動を停止する必要があります。詳細は「パーキングブレーキの自動作動を停止するとき」を参照してください。

  • パーキングブレーキを解除して、シフトポジションをNにする必要がある自動洗車機をご使用する場合は、ニュートラル保持モードをご使用ください。

    ニュートラル保持モードについては、「セレクトレバーの操作」を参照してください。

    参照「セレクトレバーの操作

手動で操作するとき

パーキングブレーキを手動でかけるとき

電源ポジションに関係なく、ブレーキペダルをしっかりと踏み込み、EPBスイッチを引き上げると、パーキングブレーキがかかります。パーキングブレーキがかかると、メーター内のEPB表示灯およびEPBスイッチの表示灯が点灯します。

EPB表示灯

パーキングブレーキを手動で解除するとき

電源ポジションがONまたはEVシステム作動中にブレーキペダルをしっかりと踏み込み、EPBスイッチを押すと、パーキングブレーキが解除されます。パーキングブレーキを解除すると、メーター内のEPB表示灯およびEPBスイッチの表示灯が消灯します。

ブレーキペダルを踏み込まずにEPBスイッチを押すと、マルチインフォメーションディスプレイにメッセージが表示され、ブレーキペダルを踏み込むよう運転者にお知らせます。

自動で作動するとき

パーキングブレーキを自動でかけるとき

電源ポジションをONからACCまたはOFFにすると、パーキングブレーキが自動でかかります。パーキングブレーキがかかると、メーター内のEPB表示灯およびEPBスイッチの表示灯が点灯します。

 


  • 電源ポジションがOFFのときに、パーキングブレーキを解除したい場合は、パーキングブレーキの自動作動を停止する必要があります。詳細は「パーキングブレーキの自動作動を停止するとき」を参照してください。

パーキングブレーキを自動で解除するとき

シフト連動解除

パーキングブレーキがかかっている状態で、次の条件をすべて満たしているときにセレクトレバーをPからP以外の位置に操作するとパーキングブレーキが自動で解除されます。パーキングブレーキを解除するとメーター内のEPB表示灯およびEPBスイッチの表示灯が消灯します。

  • EVシステム作動中のとき

  • 運転席ドアが閉まっているとき

  • シフト連動が有効であるとき

  • ブレーキペダルがしっかりと踏まれているとき

 


意図せず車両が動き出すおそれがありますので、ブレーキをしっかり踏んでシフト操作をしてください。 ブレーキの踏み方が浅いと、シフト連動解除が作動しないことがあります。

次の操作を行なうと、シフト連動解除の有効/無効を切り替えることができます。

  1. 電源ポジションをONにします。

  2. 4秒以上EPBスイッチを引き続けます。

  3. 一度EPBスイッチから手を放し、3秒以内にEPBスイッチを4秒以上引き続けます。

    (シフト連動解除を無効から有効にしたとき)

    シフト連動を有効にすると、チャイムが2回鳴り、EPBスイッチの表示灯が速い点滅に変わり、3秒間点滅します。

    (シフト連動解除を有効から無効にしたとき)

    シフト連動を無効にすると、チャイムが1回鳴り、EPBスイッチの表示灯が遅い点滅に変わり、4秒間点滅します。

 


有効/無効の設定は次回EVシステム始動時にも保持されます。

アクセル連動解除

パーキングブレーキがかかっている状態で、次の条件をすべて満たしているときにアクセルペダルを踏むと、パーキングブレーキが自動で解除されます。パーキングブレーキを解除するとメーター内のEPB表示灯およびEPBスイッチの表示灯が消灯します。

  • EVシステム作動中のとき

  • 運転席ドアが閉まっているとき

  • 運転席シートベルトを着用しているとき

  • セレクトレバーがD、Rの位置のとき

 


EVシステム作動中でパーキングブレーキがかかっているときに、アクセルペダルに足などがあたると、パーキングブレーキが自動で解除され、意図せず車両が動き出すおそれがあります。ただちに発進しない場合は、セレクトレバーをPまたはNの位置にしてください。

パーキングブレーキの自動作動を停止するとき

次のいずれかの操作を行なうと、電源ポジションをONからOFFにしたとき、パーキングブレーキが自動でかかる作動を停止することができます。

操作方法1

  1. 電源ポジションをONにします。

  2. パーキングブレーキを手動で解除します。

  3. オートホールドをOFFにします。

  4. 2秒以上 (チャイムが鳴るまで)、EPBスイッチを押し続けます。

  5. EPBスイッチから手を離し、チャイムが鳴ってから5秒以内に、電源ポジションをOFFにします。

    自動作動を停止すると、チャイムが1回鳴り、EPBスイッチの表示灯が、消灯から速い点滅に変わり、3秒後に消灯します。

操作方法2

  1. 電源ポジションをONにします。

  2. パーキングブレーキを手動で解除します。

  3. オートホールドをOFFにします。

  4. EPBスイッチを押したまま、ブレーキペダルを踏んでいない状態でプッシュボタンスタートを押して、電源ポジションをOFFにします。

    自動作動を停止すると、チャイムが1回鳴り、EPBスイッチの表示灯が、通常の点滅から速い点滅に変わり、3秒後に消灯します。

 


  • パーキングブレーキの自動作動を停止して駐車するときは、セレクトレバーをPの位置にしてタイヤに輪止めをしてください。

  • 急勾配のときは、自動作動を停止できないときがあります。

パーキングブレーキの自動作動は、電源ポジションをONにすると復帰します。

緊急ブレーキの使用方法

走行中にブレーキシステム (フットブレーキ) が故障した時や運転手がブレーキペダルを踏めないような緊急時は、EPBスイッチを引き続けてください。その間はブレーキがかかり、車両を減速/停止させることができます。ブレーキ作動中はチャイムが鳴り、EPBスイッチから手を離すとブレーキは解除され、チャイムが停止します。

 


この機能は緊急時のみに使用してください。過度に使用するとブレーキ部品が早く摩耗したり、ブレーキが発熱して効きが低下することがあります。

ブレーキ・オーバーライド・システム

ブレーキ・オーバーライド・システムとは、ブレーキとアクセルを同時に踏み込んだ際、安全のためにブレーキを優先して作動させるシステムです。

 


ブレーキ・オーバーライド・システムの警告を作動しないようにマツダコネクトの「設定」で変更できます。

→マツダコネクト取扱書 「設定」

オートホールド

オートホールド

停車中にブレーキペダルから足を放しても、ブレーキを制御して車両の停車状態を保持する機能です。信号待ちなどの停車時に運転者の負担を軽減します。

 


オートホールドを過信しない

オートホールドは、あくまでも停車時のブレーキ操作を補助する機能です。機能を過信してブレーキ操作を怠ると、意図せず車両が動き出し思わぬ事故につながるおそれがあります。道路状況や周囲の状況に応じて、適切にブレーキを操作してください。

積載やけん引の状態によって、車両が意図せず動き出す可能性がありますので、ご注意ください。

停車中、急な坂道ではブレーキペダルから足を放さない

オートホールド機能による停車保持ができない可能性があるため、意図せず車両が動き出し思わぬ事故につながるおそれがあります。

凍結路、積雪路および未舗装路などのすべりやすい路面では、オートホールドの使用をひかえる

オートホールド機能による停車保持が作動していても、車両が動き出し、思わぬ事故につながるおそれがあります。必要に応じてアクセルやブレーキ、ハンドルを適切に操作してください。

次のような場合は、ただちにブレーキペダルを踏み込む

オートホールド機能が強制解除されるため、意図せず車両が動き出し思わぬ事故につながるおそれがあります。

  • マルチインフォメーションディスプレイに「ブレーキペダルを踏んでください停止保持を継続できません」とメッセージが表示され、同時にブザーが鳴ったとき

駐車するとき、および車両から離れるときは、パーキングブレーキをかける

意図せず車両が動き出し思わぬ事故につながるおそれがあります。駐車するとき、および車両から離れるときは、セレクトレバーをPの位置にして、パーキングブレーキをかけてください。

 


車両が発進する前にアクセル操作をやめた場合、停車状態を保持する力が弱まっている場合があります。ブレーキペダルをしっかり踏み込む、または発進するまでアクセルペダルを踏み込んでください。

 


  • 次のようなときは、オートホールドに不具合が発生しています。すみやかにマツダ販売店で点検を受けてください。

    • オートホールド作動中やオートホールドスイッチを操作したときに、約5 秒間、マルチインフォメーションディスプレイにメッセージが表示されてブザーが鳴る

  • オートホールド作動中に電源ポジションをOFFにすると、自動的にパーキングブレーキがかかり、駐車するときに必要な運転者の操作を補助します。

  • 車両前上がりの状態、または平坦路でセレクトレバーをRの位置にすると、オートホールドが解除されます。必要に応じてブレーキを操作してください。

    車両姿勢および路面勾配

    オートホールド作動状態

    車両前下がり

    作動する

    平坦路

    作動しない、解除

    車両前上がり

    作動しない、解除

    : 後退時 (セレクトレバーがRの位置)

  • オートホールド作動中にブレーキペダルの踏み応えが変わったり、ブレーキから音が発生したり、ブレーキペダルが振動したりすることがありますが、異常ではありません。

オートホールドをON にするとき

オートホールドスイッチを押して、オートホールドスタンバイ表示灯が点灯すると、オートホールドがONになります。

  1. オートホールドスタンバイ表示灯

 


  • 次のすべての条件を満たすと、オートホールドスイッチを押したときに、オートホールドスタンバイ表示灯が点灯して、オートホールドがONになります。

    • 電源ポジションがON (EVシステム作動中) のとき

    • 運転席シートベルトを着用しているとき

    • 運転席ドアが閉まっているとき

    • オートホールドが故障していないとき

オートホールドを作動させ、ブレーキを保持するには

  1. ブレーキペダルを踏み、車両を停車させます。

  2. メーター内のオートホールド作動表示灯が点灯し、ブレーキが保持されます。

  3. ブレーキペダルから足を放すと、車両の停車状態が保持されます。

 


  • 次のすべての条件を満たすと、オートホールドが作動して、ブレーキが保持されます。

    • 電源ポジションがON (EVシステム作動中) のとき

    • 車両が停止しているとき

    • ブレーキペダルを踏んでいるとき

    • オートホールドスタンバイ表示灯が点灯しているとき

    • アクセルペダルを踏んでいないとき

    • 運転席シートベルトを着用しているとき

    • 運転席ドアが閉まっているとき

    • オートホールドが故障していないとき

    • パーキングブレーキが解除されているとき

    • 電動パーキングブレーキ (EPB) が故障していないとき

    • セレクトレバーがR以外の位置、またはRの位置で車両が前下がりの状態のとき

オートホールドを解除させ、発進するには

  • 車両を発進させようとすると、ブレーキ保持が解除され、メーター内のオートホールド作動表示灯が消灯します。

 


  • オートホールドが作動しているときに、電動パーキングブレーキ (EPB) スイッチを引き上げると、パーキングブレーキがかかり、オートホールドが解除されます。また、この状態からパーキングブレーキを解除すると、オートホールドが作動して、ブレーキが保持されます。

  • 次のようなときは、パーキングブレーキが自動でかかり、オートホールドが解除されます。オートホールドが解除される前の状態にもどすと、オートホールドが復帰します。

    • 運転席シートベルトをはずしたとき

    • 運転席ドアを開けたとき

  • オートホールドが作動開始してから約10分以上経過すると、パーキングブレーキが自動でかかります。パーキングブレーキを解除すると、オートホールドが復帰するため、再度オートホールドでのブレーキ保持を開始します。

  • オートホールド作動中に、アクセルペダルを約1秒いっぱいに踏み込むと、オートホールドを強制的に解除できます。システム故障などでオートホールドが通常操作で解除できないときや、緊急でオートホールドの解除が必要なときのみ使用してください。

オートホールドをOFF にするとき

ブレーキペダルを踏み込み、オートホールドスイッチを押します。オートホールドがOFFになり、オートホールドスタンバイ表示灯が消灯します。

  1. オートホールドスタンバイ表示灯

 


  • 走行中などブレーキが保持されていないときは、オートホールドスイッチを押すだけでオートホールドをOFFにすることができます。

  • オートホールドが作動しているとき (メーター内のオートホールド作動表示灯が点灯中) に、ブレーキペダルを踏み込まずにオートホールドスイッチを押すと、マルチインフォメーションディスプレイに「解除するにはブレーキペダルを踏みスイッチを操作してください」とメッセージが表示され、ブレーキペダルを踏み込むように運転者に知らせます。

  • オートホールドが作動しているとき (メーター内のオートホールド作動表示灯が点灯中) に、次のような状況になると、パーキングブレーキが自動でかかり、オートホールドがOFFになります。電動パーキングブレーキ (EPB) の操作方法については、電動パーキングブレーキ (EPB) を参照してください。

    • 電源ポジションをOFFにしたとき

    • オートホールドが故障したとき

エマージェンシーシグナルシステム (ESS)

エマージェンシーシグナルシステム (ESS)

エマージェンシーシグナルシステム (ESS) は、急ブレーキをかけたときの車速が約55 km/h以上のときに、すべての方向指示灯を自動的に高速で点滅させ、後続車に注意を促すシステムです。

 


  • 点滅について

    すべての方向指示灯が高速点滅中に停車した場合、すべての方向指示灯は通常の周期で点滅します。ブレーキペダルから足を放すと方向指示灯が消灯します。

  • 作動について

    • ABS作動時は、エマージェンシーシグナルシステム (ESS) が作動しやすくなります。そのため、すべりやすい路面でブレーキを踏むと、すべての方向指示灯が点滅することがあります。

    • 非常点滅灯スイッチが操作されると、エマージェンシーシグナルシステム (ESS) は作動しません。

ヒル・ローンチ・アシスト (HLA) とは

ヒル・ローンチ・アシスト (HLA) とは

HLAとは、坂道発進を補助する機能です。坂道停車後の発進時、ブレーキペダルからアクセルペダルに踏みかえる際の車両のずり下がりを防ぎます。坂道を後退して上るときにも作動します。

急な坂道でブレーキペダルを放したときに自動でブレーキ力を保持します。

セレクトレバーが前進の位置のときは、車両前上がりの状態のとき作動し、Rの位置のときは車両前下がりの状態のとき作動します。

 


HLAを過信しない。

HLAはあくまでも発進するときの補助機能です。システムが作動する時間は限られています (約2秒間) ので、アクセルやブレーキの適切な操作を怠ると、車両が動き出して思わぬ事故につながるおそれがあるため危険です。発進時は周囲の安全を確認してください。積載やけん引の状態によって、車両が意図せず動き出す可能性がありますのでご注意ください。

 


  • 緩勾配の坂道ではHLAが作動しません。また、積載状態によって作動する勾配が若干変化します。

  • パーキングブレーキがかかっているときや、車両が完全に停車していないときはHLAは作動しません。

  • HLA作動中にブレーキペダルが硬くなったり、ペダルが振動したりすることがありますが、異常ではありません。

  • TCS/DSC作動表示灯が点灯しているときは、HLAが作動しないことがあります。

  • TCS OFFスイッチを押してTCSを解除してもHLAは解除されません。

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