HEVトランスアクスルの使いかた
HEVトランスアクスル
HEVトランスアクスルの特性
HEVトランスアクスルは、これまでのガソリンエンジン車/ディーゼルエンジン車のオートマチックトランスミッションと同様、クラッチ操作とギヤの切り替え操作が不要なため、運転者の負担が軽くなります。運転は楽になりますが、安易に運転することは禁物です。また、HEVトランスアクスルは、エンジンと電気モーターの動力を自動的に配分するなど、これまでのオートマチックトランスミッションにはない機能があります。
操作もこれまでのオートマチックトランスミッションと異なる部分がありますので、ハイブリッド車およびHEVトランスアクスルの特性を理解し、正しい操作をする習慣をつけてください。
→参照「ハイブリッドシステムの作動」
→参照「ハイブリッド車を運転するときに」
シフトポジションの切り替え

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シフトポジションはセレクタレバーで切り替えます。セレクタレバーは操作後に手を放すともとの位置にもどるため、実際のシフトポジションはレバー位置では判断できません。セレクタレバーを操作したあとは、目的のシフトポジションに切り替わっていることをメーターのシフトポジション表示灯またはシフトポジション表示で必ず確認してください。
→参照「シフトポジション表示灯/シフトポジション表示」
→参照「セレクタレバーの操作」
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シフトポジションをPにするときはPポジションスイッチを押します。セレクタレバーの操作では、シフトポジションをPにすることはできません。
→参照「Pポジションスイッチ」
クリープ現象
ハイブリッドシステムが作動 (READYインジケータが点灯) しているときに、シフトポジションがP、N以外になっていると、アクセルペダルを踏まなくても車が動き出します。この現象をクリープ現象といいます。
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停車中は車が動かないようにブレーキペダルをしっかり踏み、必要に応じてパーキングブレーキをかけてください。
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渋滞や狭い場所での移動は、クリープ現象を利用すると、アクセルペダルを踏まずにブレーキ操作のみで速度を調節できます。
シフトポジション表示灯/シフトポジション表示
シフトポジション表示灯
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電源ポジションがONのとき、セレクタレバーの操作方向を表示するとともに、セレクタレバーの操作に連動して、現在のシフトポジションを枠の位置で表示します。
D、B以外のときは、シフトポジション表示灯のB方向への矢印およびBの表示が消灯し、シフトポジションを直接Bに切り替えることができないことを示します。セレクタレバーを操作したあとは、シフトポジションが目的のシフトポジションに切り替わっていることを必ず確認してください。
シフトポジションがPのとき、電源ポジションをACCまたはOFFにするとシフトポジション表示灯は約2秒後に消灯します。
電源ポジションをACCまたはOFFにしたとき、シフトポジション表示灯のポジション表示が消灯するとともに全ての枠が点滅し続けるときは、システムに異常が生じシフトポジションがPになっていないことを知らせてます。
シフトポジション表示
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電源ポジションがONのとき、セレクタレバーの操作に連動して、現在のシフトポジションを表示します。
セレクタレバーを操作したあとは、シフトポジションが目的のシフトポジションに切り替わっていることを必ず確認してください。
各位置の働き

P (パーキング)
駐車またはハイブリッドシステムを始動する位置。Pポジションスイッチでこのポジションにします。セレクタレバーではこの位置にすることはできません。
R (リバース)
車を後退させる位置。
チャイムが鳴り、シフトポジションがRになっていることを運転者に知らせます。
N (ニュートラル)
動力が伝わらない位置。
シフトポジションがNのときは、高電圧バッテリーの充電が行なわれません。減速中や停車中にシフトポジションをNにすると、高電圧バッテリーの劣化や燃費の悪化につながることがあります。
通常はDで走行し、停車中は必要に応じシフトポジションをPにしてください。
D (ドライブ)
通常走行する位置。
B (ビーモード)
急な下り坂など強力なエンジンブレーキが必要なときに使用します。
エンジンブレーキについて
通常の車にくらべて高速走行時は、エンジンブレーキによる減速感が小さくなります。
強くエンジンブレーキを効かせたい場合は、シフトポジションをBにしてください。
Bのまま走行しつづけると、燃費の悪化につながりますので通常はDで走行してください。
セレクタレバーの操作
状況に応じてシフトポジションを選択してください。

セレクタレバーは、ゆっくり確実に操作してください。セレクタレバーは、操作したあと、常にもとの位置にもどります。
シフトポジションはシフトポジション表示灯/シフトポジション表示で確認してください。
レバー操作 |
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ゲートにそって、そのまま操作します。 |
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右にスライドさせ、しばらく (約1秒以上) 保持します。 |
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シフトポジションがDのときのみ、Bに切り替えることができます。 |
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セレクタレバーを操作したあと、常にもとの位置にもどります。 |
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PからN、D、RまたはDからRおよびRからDにするときは、ブレーキペダルを踏み、車が完全に停止している状態で操作してください。
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車両の状態に適切でないシフトポジションへセレクタレバーを操作をしたときは、チャイムが鳴り、セレクタレバーの操作が無効またはシフトポジションがNになる場合があります。
→参照「シフトポジションについて」
Pポジションスイッチ

シフトポジションをPにするとき
シフトポジションをPにするときは、Pポジションスイッチを押します。
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車を完全に止めます。
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ブレーキペダルを踏んだまま、パーキングブレーキをかけます。
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Pポジションスイッチを押します。
シフトポジションがPになり、Pポジションスイッチの作動表示灯が点灯します。操作したあとは、シフトポジション表示灯のPの位置の枠が点灯しているとともに、シフトポジション表示がPになっていることを必ず確認してください。
シフトポジションをP以外にするとき
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ブレーキペダルをしっかりと踏んでおきます。
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必要に応じてパーキングブレーキをかけます。
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セレクタレバーを目的のポジションに操作します。
ブレーキペダルを踏んでいないと、チャイムが鳴り、シフトポジションの切り替えができないことを知らせます。
操作したあとは、シフトポジション表示灯/シフトポジション表示で、目的のポジションに切り替わっていることを必ず確認してください。
シフトポジションについて
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電源ポジションがOFFのときはシフトポジションの切り替えはできません。
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電源ポジションがONでREADYインジケーター消灯中は、シフトポジションはNのみ選択することができます。セレクタレバーを操作してDまたはRの位置で保持してもシフトポジションはNに切り替わります。
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READYインジケーター点灯中は、シフトポジションはPからD、N、Rを選択することができます。
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READYインジケーター点滅中は、セレクタレバーを操作してもP以外のシフトポジションを選択することはできません。READYインジケーターが点灯してから、再度セレクタレバーを操作してください。
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シフトポジションがDのときのみ、シフトポジションBを選択することができます。
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次の操作を行なうとチャイムが鳴り、シフトポジションの切り替え操作が無効になるときや、自動的にNに切り替わる場合があります。その場合は適切なシフトポジションにするか、Pポジションスイッチを押してPにしてください。
シフトポジションの切り替え操作が無効になるとき
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ブレーキペダルを踏まずにセレクタレバーを操作して、Pから他のシフトポジションに切り替えようとしたとき。
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セレクタレバーを操作して、シフトポジションをPまたはNからBに切り替えようとしたとき。
自動的にシフトポジションがNに切り替わるとき
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走行中に、Pポジションスイッチを押したとき。ただし、極低速走行時はPに切り替わることがあります。
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車両が前進しているときにセレクタレバーを操作し、シフトポジションをRに切り替えようとしたとき。ただし、低速走行時はRに切り替わることがあります。
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車両が後退しているときにセレクタレバーを操作し、シフトポジションをDに切り替えようとしたとき。ただし、低速走行時はDに切り替わることがあります。
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セレクタレバーを操作して、シフトポジションをRからBに切り替えようとしたとき。
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電源ポジションがONでシフトポジションがP以外のときは、車両を完全に停止させパワースイッチを押すと電源ポジションがOFFになり、シフトポジションが自動的にPに切り替わります。
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シフトポジションがPから切り替わらないときは12Vバッテリーあがりの可能性があります。
→参照「12Vバッテリーあがりについて」