オートマチック車を運転するとき

◆オートマチック車の特性

オートマチック車は、クラッチ操作とギヤの切り替えを自動化した車で、その分操作の負担が軽くなります。運転は楽になりますが、安易に運転することは禁物です。
オートマチック車の特性を理解し、正しい操作をする習慣をつけてください。
オートマチックトランスミッション

◆クリープ現象

エンジンがかかっているとき、セレクトレバーがP、N以外にはいっていると、アクセルペダルを踏まなくても車が動き出します。この現象をクリープ現象といいます。
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停車中は車が動かないようにブレーキペダルをしっかり踏み、必要に応じてパーキングブレーキをかけてください。
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エンジン始動直後やエアコン作動時は、エンジンの回転数が高くなりクリープ現象が強くなります。ブレーキペダルをしっかり踏んでおいてください。
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渋滞や狭い場所での移動は、クリープ現象を利用すると、アクセルペダルを踏まずにブレーキ操作のみで速度を調節できます。

◆キックダウン

走行中にアクセルペダルをいっぱいに踏み込むと、自動的に低速ギヤに切り替わり、急加速させることができます。
この操作をキックダウンといいます。
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追い越しや高速道路での合流など、加速が必要なときに行ないます。
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すべりやすい路面やカーブを走行するときは、急激なアクセル操作はしないでください。

◆ブレーキ操作は右足で

ブレーキペダルは必ず右足で踏んでください。慣れない左足でのブレーキ操作は、緊急時の反応が遅れるなど、適切な操作ができないおそれがあります。

◆エンジンをかける前に

正しい運転姿勢をとり、右足でアクセルペダルとブレーキペダルが確実に踏めるか確認します。
ペダルの踏み間違いのないように、ペダルの位置を確認しておいてください。

◆エンジンをかけるときは

安全のため、セレクトレバーは駆動輪が固定されるPにいれ、ブレーキを効かせた状態でエンジンをかけてください。

◆発進するときは

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アクセルペダルを踏んだままセレクトレバーを操作しないでください。車が急発進し思わぬ事故につながるおそれがあります。
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エンジン始動直後やエアコン作動時は、エンジンの回転数が高くなり、クリープ現象が強くなります。
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マニュアル車では発進時の速度をクラッチ操作とアクセル操作を併用して調節しますが、オートマチック車ではアクセル操作のみで行ないますので、アクセル操作は慎重に行なってください。

◆走行するときは

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走行中はセレクトレバーをNにいれないでください。トランスミッションの故障につながります。また、エンジンブレーキが全く効かないため思わぬ事故につながるおそれがあります。
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高速走行中、またはぬれた路面や積雪路、凍結路を走行しているときは、急激なエンジンブレーキの使用 (シフトダウン) は避けてください。タイヤがスリップし、思わぬ事故につながるおそれがあります。

◆停車するときは

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停車中、むやみにアクセルペダルを踏まないでください。セレクトレバーがP、N以外にはいっているとき、誤ってアクセルペダルを踏むと急発進するため思わぬ事故につながるおそれがあります。
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停車後、再発進するときはセレクトレバーの位置に思い違いがないよう確認してください。意に反して車が動き出すと、思わぬ事故につながるおそれがあります。
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アクセルペダルとブレーキペダルを同時に踏んだり、上り坂でセレクトレバーを前進位置にいれ、アクセルをふかしながら停車しないでください。トランスミッションが過熱し、故障につながるおそれがあります。

◆後退するときは

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後退時は身体を後ろにひねった姿勢になります。ブレーキペダルを確実に踏めるよう注意してください。
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少し後退したときなどはセレクトレバーをRにいれたことを忘れてしまうことがあります。後退したあとは、すぐにセレクトレバーをNにもどし、発進時にはセレクトレバーの位置を確認してください。

◆駐車するときは

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駐車するときは、セレクトレバーをPにいれ、パーキングブレーキをかけてください。パーキングブレーキをかけただけや、セレクトレバーをPにいれただけで駐車していると、車が勝手に動き出し思わぬ事故につながるおそれがあります。
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エンジンをかけたまま駐車しないでください。万一セレクトレバーがP以外にはいっていた場合、クリープ現象で車が勝手に動き出したり、乗り込むときに誤ってアクセルペダルを踏み、急発進するなど、思わぬ事故につながるおそれがあります。
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セレクトレバーをPにいれるときは、車を完全に止めてから行なってください。車が完全に止まる前にセレクトレバーをPにいれると、トランスミッションに無理な力がかかり故障につながるおそれがあります。

◆そのほかに気をつけること

坂道などで、セレクトレバーを前進位置に入れたまま後退したり、後退位置に入れたまま前進することは行わないで下さい。エンジンが停止してブレーキの効きが悪くなったり、ハンドルが重くなったりして思わぬ事故につながるおそれがあります。