ドライバー異常時対応システム (DEA)
ドライバー異常時対応システム (DEA) について
ドライバー異常時対応システム (DEA)は、高速道路、自動車専用道路および一般道を問わず、運転者が急病などで運転の継続が困難になった場合に、車両を減速・停止させることで、衝突事故やその被害の軽減に寄与するシステムです。
DEAの基本的な動作について
①DEAは、運転者の異常を検知、または乗員が操作することにより作動します。
②DEAが作動すると非常点滅表示灯の点滅を開始し、間もなく緊急停車することを乗員に報知しながら、運転者の正常/異常判定を行います。
③運転者が通常運転状態に復帰せずDEAがキャンセルされない場合には、非常点滅表示灯に加え、ブレーキランプの点滅とホーンの吹鳴を開始し、車両を減速・停止させます。
ドライバー異常時対応システム (DEA) 使用上の警告・注意
DEAを過信しない。
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DEAは運転者に異常が起きて運転の継続が困難になった場合を対象とするものであり、自動運転システムではありません。
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DEAは万一の際に速やかに減速・停止を行うことで事故の回避や被害の軽減を図るものであり、その機能には限界があり、その効果はさまざまな条件により変わります。
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DEAの作動には条件があり、作動条件を満たさない場合は作動しません。
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運転者には安全運転をする義務があり、DEA作動にともなう責任は運転者にあります。DEAの特性を十分ご理解頂き使用をお願い致します。
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DEAは体調が優れない場合の運転を対象とするものではないため、体調が優れない場合は運転しないでください。
運転者に異常がない場合は、意図的にDEAを作動させない。
思わぬ事故につながるおそれがあります。
DEAを正しく作動させるために、次のことを守る。
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フォワードセンシングカメラ (FSC) を適切に取り扱ってください。フォワードセンシングカメラ (FSC) が対象物を正しく検知できない場合、思わぬ事故につながるおそれがあります。
→参照「フォワードセンシングカメラ (FSC) について」
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レーダーセンサー (フロントレーダーセンサー、フロントサイドレーダーセンサー、リアサイドレーダーセンサー) を適切に取り扱ってください。レーダーセンサーが対象物を正しく検知できない場合、思わぬ事故につながるおそれがあります。
→参照「レーダーセンサーについて」
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超音波センサーを適切に取り扱ってください。超音波センサーが対象物を正しく検知できない場合、思わぬ事故につながるおそれがあります。
→参照「超音波センサーについて」
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ドライバー・モニタリングカメラを適切に取り扱ってください。ドライバー・モニタリングカメラが対象物を正しく検知できない場合、思わぬ事故につながるおそれがあります。
→参照「ドライバー・モニタリングカメラについて」
DEA作動後、運転者が異常から復帰できた場合には、速やかに運転を再開するか、路肩へ避難し、また、必要に応じて三角表示板及び発煙筒を設置して後続車両に停車していることを知らせる。
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次の条件のいずれかを満たす場合は、誤作動を防ぐためにDEAの自動的な作動を停止するとともに、乗員の操作による意図的なDEA作動を行なわないでください。
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トレーラーなどをけん引したり、車両後部に自転車のキャリアなどを装着したりするとき
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草の生い茂った場所やオフロードなどの悪路を走行するとき
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サスペンションを改造しないでください。
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タイヤは指定されたサイズを使用し、4輪ともに同一種類のタイヤを使用してください。また、摩耗状態が著しく異なるタイヤを混ぜて使用しないでください。タイヤを混ぜて使用すると、DEAが正常に作動しなくなるおそれがあります。
ドライバー異常時対応システム (DEA) の使いかた
自動的な作動の設定状況を確認する
DEAの自動的な作動はお客様のご希望によりマツダコネクトでONまたはOFFにできます (OFFにする場合はクルージング & トラフィック・サポート (CTS) もOFFにして頂く必要があります)。運転開始前に設定状況をご確認下さい。
→マツダコネクト取扱書 「設定」
→参照 「クルージング & トラフィック・サポート (CTS) の使いかた」
DEAが作動する条件
DEAは、次の条件をすべて満たしている場合に作動します。
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高速道/自動車専用道路/一般道を5km/h以上で一定時間走行を継続しているとき
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運転者に異常が起きているとDEAが検知したとき
DEAが運転者の異常を検知する方法は2つあります。
①システムの自動検知による作動
DEAは、運転者の状態や運転操作のデータをもとに、運転者の異常を検知します。
②乗員の操作による作動
運転者の異常を察知した場合などに、運転者自身または同乗者が、以下1および2の操作を完了することで、DEA が作動します。
SOSスイッチ操作後 (1)、センターディスプレイの表示内容に従い、EPBスイッチを引き上げる (2)。
DEAが作動したとき
DEAが作動すると、警報音が鳴るとともに、システムによる車両減速・停止の待機状態であることをセンターディスプレイおよびメーターの表示で知らせます。システム制御の詳細はセンターディスプレイに表示されます。

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“ドライバー異常を検知しました”
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“まもなく緊急停車します。”
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“キャンセルするにはハザードスイッチ(非常点滅表示灯スイッチ)押下”
その後、一定時間内にキャンセル操作が行なわれない場合は、システムが車両減速・停止を開始します。*1

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“ドライバー異常時対応システム作動中”
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“キャンセルするにはハザードスイッチ(非常点滅灯スイッチ)押下”
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DEAが作動すると、スマート・ブレーキ・サポート (SBS) が自動的に有効化されます。
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DEAが作動するとアクセルペダル操作による加速が出来ません。また非常点滅表示灯が点滅します。
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DEAが車両減速・停止を開始するとブレーキランプが点滅するとともに、ホーンが吹鳴します。
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:状況によって、以下のように減速・停止します。
① 高速道路または自動車専用道路において第一走行車線や登坂車線など路肩に隣接する車線を時速60km以上で走行している場合、可能な範囲で路肩に寄せながら、減速・停止します。
② 上記①以外の場合、可能な範囲で自車が車線から逸脱しないように維持しながら、減速・停止します。
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次の条件をすべて満たしている場合は、路肩に寄って停車します。
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ナビゲーションシステムのSDカードが挿入されているとき
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高速道路または自動車専用道路を走行しているとき
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路肩に隣接する車線を走行しているとき
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路肩に停車可能なスペースがあり、自車の進入ルートに障害物などがないとき
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自車の左側方および左後側方に、接近車両を検知していないとき
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キャンピングトレーラーなどをけん引していないとき
ただし、路肩に寄っている最中に次のいずれかの条件を満たすと、路肩に寄らずに停車します。
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ブレーキペダルを踏んだとき
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セレクトレバーをD以外の位置にしたとき
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運転席のシートベルトをはずしたとき
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いずれかのドアを開けたとき
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スマート・ブレーキ・サポート (SBS) が作動したとき
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エアバッグが作動したとき
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車線を維持して走行できなくなったとき
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車線の幅が極端に狭いとき、または極端に広いとき
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一定時間内に路肩に寄れなかったとき
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高速道路の合流または離脱の標識を検知したとき
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次の場合には、ステアリングアシスト機能による車線維持が作動しないことがあります。
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車線の白線 (黄線) を検知できないとき (見えにくい、複数引かれる、途切れる、紛らわしい線が見えるなど)
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車線の両側白線 (黄色線) が平行でないとき
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道路の段差等により車が大きく揺れたとき
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急なカーブを走行したとき
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急なハンドル操作をしたとき
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車線をまたいで走行したとき
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車線の幅が狭いとき、または広いとき
作動中のDEAを解除するとき
センターディスプレイの表示に従ってDEAを解除してください。
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次のいずれかの条件を満たすことでも、DEAを解除できます。
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(システムの自動検知による作動の場合)
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ハンドルをしっかりと握ってペダル操作で加減速をするなど、意図的な運転操作をしたとき
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アクセルペダルを3回踏み込んだとき
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電源ポジションをOFFにしたとき
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パーキングブレーキを解除したとき
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(乗員の操作による作動の場合)
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アクセルペダルを3回踏み込んだとき
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電源ポジションをOFFにしたとき
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パーキングブレーキを解除したとき
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DEAによる緊急停止
システム制御によって自車が停止した後は、パーキングブレーキが自動的にかかり、すべてのドアが自動的に解錠されます。停車後のシステム制御の詳細はセンターディスプレイに表示されます。
また、システムの自動検知によるDEA作動の場合には、エマージェンシーコールを行います。
→参照 「マツダエマージェンシーコールについて」
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システム制御によって自車が停止した後も、非常点滅表示灯およびブレーキランプの点滅とホーンの吹鳴は継続します。
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ブレーキランプの点滅とホーンの吹鳴は、作動中のシステムを解除すると停止します。
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非常点滅表示灯の点滅は、非常点滅表示灯スイッチを押すと停止します。
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